全国各地でツキノワグマによる人身被害が止まらない。「いつもの散歩道で」「自宅の庭に現れた」。突発的で予想できない状況で遭遇する事故が増えている。東北地方では、特に被害が深刻だ。有効な対策はあるのか。
栗を拾い、家に帰ろうとしたときだった。
10月上旬、岩手県八幡平市の松尾地区で暮らす男性(73)は20メートルほど離れた草むらで何かが動く気配を感じた。
草むらから突然、飛び出てきた
次の瞬間、黒い物体が猛スピードで飛び出てきた。防御する時間はなかった。気づいたときには、クマがうなり声を上げて左腕に牙を立てていた。
「うわーっ」
叫び声が近所に響いた。無我…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル